アイナナのアニメが終わってから一カ月がたったので感想を書きたいと思います。こんだけ時間がたっているので…、もうネタバレがーとは言わせない。というわけで、ネタバレアリの記事ですよ。
全体的な感想
ほぼゲームのシナリオ通りで、つまんでいるところはあっても切られた要素はなかった(と思います)。
とくに、ハッハッハーでおなじみのダグラスを残したのにはびっくりしました。
あの辺は、なんならライブ会場の静止画3枚くらいで「俺たちは順調に仕事が増えていって、世界的なアーティストの前座の仕事まで舞い込んだ(三月)」「え? あのダスラスルートバンクの前座?(壮五)」「すごいことです!(万里)」(暗転)の5秒で済ませても後に影響しないところ。
スタッフの気概を感じました。(それか、今後の展開でダグラスが活躍をする予定があるのか…?)
すでにゲームにボイスがあるため、声優によるイメージ変化の問題が起きないのはやはり大きなプラス要素です。その中で特に素晴らしかったのが、ゲーム内で唯一声の無い主人公、紡ちゃんの声。かなり好感度の高いヒロインになっていて素晴らしかったです。
公式の発言を読んだわけではないのですが、アイナナはいわゆる乙女ゲームではないと明言されているらしいです。ですが、初期のラビチャを読むと乙女ゲームのセオリー(ちょっとドキドキさせようというシチュエーションを入れてくる)に則っているし、最初からきっぱりと「乙女ゲームではなくストーリーゲームだ!」と決めていたわけではないと思います。
その後、狙い通りにストーリーが評価されたので、ストーリー重視に舵を切った。
その結果紡ちゃんはプレイヤーの分身という役割を持ちながら、乙女ゲーム的ではない多少の個性を持ち、かつプレイヤーの好感度を下げないキャラクターになる必要が出てきました。ゲーム内ではうまくいっていて、彼女はあまりでしゃばらないけど仕事をきちんとしていて、登場キャラに女を出してこない。ネットでもおおむね好評価。そして紡ちゃんだけ声がないことも大きい。うまいこと存在感が薄くなり、いいかんじのバランスになっていたのだと思います。
そして今回、アニメ化にともない紡ちゃんの声が必要になりました。どうなるのか心配していたのですが、イメージ通りの可愛い声で、演技もフラットで紡ちゃんの良さが出ているキャスティングだったと思います。アニメ化成功のために、紡ちゃんの声は大きなポイントだったと思うのですが、わたしはすごくよかったと感じました。
とくに印象に残っていること
その他、こまごま印象に残っていることを書いてみたいと思います。
オープニングがモンジェネのkzさんの曲だった
アニメ化にあたって、新曲がどのような曲になるのか注目していました。で、OPの「WiSH VOYAGE」がモンジェネやリスポを作ったkzさんの作品だったのが嬉しかったです。おそらくアイナナの核となるイメージとしてkzさんの作るポップで元気で明るいかんじの曲に重きが置かれていて、重要な曲にkzさんが起用されるのではないかとにらんでいます。
このように、細かいところまで世界観を壊さないように気を配っていることが、アイナナの魅力だと思います。
二回目の野外の丁寧な作り
5話の二回目の野外コンサートのシーンは、ゲームストーリー1部でも特に印象的なシーン。落雷によるトラブル→つなぐ環→壮五パートへのリレーは場面として詩的だし、その後のMEZZO”結成の布石となるため、記憶に残るところです。
そこにかなりのシーンを割いていたこと、そして新曲を使ったことで、ゲーム勢も満足の印象を残していたと思います。
環がゲームよりイライラしなかった
環は、一部時点ではかなりマイペースで自分本位なところがあり、正直ストーリーを読んでいてイライラしました。(だから誰よりも歌がうまいけど、環推しにはなれなかったといっても過言ではない)
アニメはその通りに描かれているのですが、ゲーム内の立ち絵と違って表情や体が動くので、より感情移入できるのかストーリーを読んだ時ほどイライラしなくて、表情ってすごいんだなと思いました。
ファンの女の子→愛ちゃん
ツインテのファンの女の子に顔と声と名前がついて「愛ちゃん」になった! なんだかお姉さんは嬉しかった。
八乙女プロ策略時の三月のセリフ
八乙女プロの策略によりメンバー間がギスギスした時、「一織のおまけで入った」と知った三月がナギへ
と話すシーンがあります。ここはいつも前向きな三月のアキレス腱、弟へのコンプレックスが表れたシーンなのですが、アニメではここにセリフが足されていました。
三月「……そんなわけないだろ。俺の弟だぞ」
この演出がすごく印象に残っています。
家族だからこそ感じてしまう想いや、家族だからこそ(ある意味甘えて)強い態度に出てしまうことってあるのです。三月の思いはゲームのストーリーだけでも十分に伝わるのですが、セリフが足されたことによって、一織に対する葛藤、その中にある愛や悲しみが強く表れて、三月の魅力を強く表す演出になったと思います。
よき。
14話の作画崩壊
サウンドシップ終了後、みんなが客席に手を振っていたシーンの作画が崩壊していました。なんかすっごく面白くて、ちょっと生活に疲れていたので、10回以上繰り返して見て笑ってしまった。録画消してしまったんだけど、疲れた時の為に取っておけばよかったです。
愛のあるアニメ化だった
原作至上主義である私ですが、違和感なくまとめてくれていて、とても楽しく見られました。タイアップやグッズ化なども積極的に行っているみたいなので、ぜひ二期もこの調子でやってほしい。
今回、無理のあるスケジュールをもぎとってわたしたちに過不足のないシナリオを見せてくれましたが、2部は大分シナリオが長くなるし、次回も無理を通すのは多分難しいだろうな……。と心配しております。二期連続にしてリソースが足りなくなるよりは、分割二期などでクオリティを保っていただいたほうがファンとして嬉しいです。
「世界観を大切にする」のがアイナナの魅力ですが、それを支えているのは「ファンが持っている世界観を大切にする」を徹底している運営他、関わっている方々の姿勢だと思います。お疲れ様です。ありがとうございます。貫いていくのはとても大変だと思いますが、忘れないで頑張ってほしいです。
少額ですがまた課金しますので、アニメ2期期待しています。ゲーム本編4部の更新も期待しています。
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