8/20でアイナナ(アイドリッシュセブン/IDOLiSH7)が2周年を迎えました。課金石(ラブカストーン)を気前よく配ったり、無償で17回引けるガチャなどを行ったりとお祭り状態です。アイナナの魅力といえばできのいいリズムゲームと丁寧に作られたシナリオ。
公式の発表によるとシナリオは現在第3部の前半までが終わったとのことです。
※プロデューサーレター #12より。
不穏な未来の提示から始まった3部でしたが、前半はゆっくりその不穏さを描いています。まさにこれからその不穏さが動き出す……、というところで後半というところ。続きが楽しみです。
そんなわけで、わたしもお祭りに乗じてアイナナ1部、2部、3部前半までの感想と総括、今考えている結末予想などを書いてみたいと思います。本当にストーリーを目当てに楽しんで&楽しみにしているのですが、シナリオライターさんのファンではなく、逆に少し苦手なところもあるライターさんなので、少し辛めな感想になってしまうかもしれませんわかりません。(でもでも、面白いし楽しんでるんです)
それでもOK! という方のみお読みくださいませ。
シナリオライター 都志見文太さんの特徴
アイナナのストーリーについて書く前に、メインシナリオライターの都志見文太さんの特徴について書いてみます。いっしょくたにするとガチャガチャするからね。かなり特徴のあるライターさんです。
この方のシナリオは、アイナナと、PCゲームの「図書室のネバジスタ」(本編のみ)で読んだことがあります。すぐに目につく特徴として
- 比喩表現がかなり多い。中二っぽい
- 倒置法が多い
があります。
セリフの中に「〇〇はいつも激しい●●のよう。時に▲▲に。時に□□に」のような言い回しがちょいちょい出てくるのが特徴です。こういう言い回しは,あったとしても一作品に一か所、多くても二か所程度のものだと思いますが、いやいやいやいや、すんごく出てきます。「~のように」は都志見文太さんの特徴と言っても過言ではないと思っています。こう……、いちいちかっこいいかんじなんです。
ふふふ、読みたくなってきたでしょ?
基本的には読みやすく、布石の打ち方も丁寧で、読んでいてわかりづらいところはありません。
また、感情表現が丁寧であることも大きなポイントです。アイナナを一緒にやっている友達はどこもかしこも泣きながら読んでいるらしいですよ。登場人物のすれ違いや葛藤を主軸にして作品を書くのが得意なライターさんだと思います。わたしも胸が痛くなるようなシーンがいくつもありました。
気になるところもあります。伏線もきちんと張り、布石もきちんと打ち、先が気になって読み進めていけるのですが、わりと設定がガバガバなことが多いのです。設定的には矛盾がないようにきちんと仕上げて、フォローもあるのですが、それをナナメから眺めると「いやいや、それはさすがに無理があるでしょ?」「いやいやいや、それ、●●は知ってないとおかしくない? やばくない?(あ……、でも、そうだとするとこのドラマ起こらないわけか……)」みたいなことが多いのです。
なまじ感情表現や人と人とのドラマを緻密に描く分、それを支えている設定の甘さが気になってしまうというか。でもそれを言うのは野暮というものなのでしょうね。。。設定に乗っかって、「??」と思ったことはあえて目をつぶって「そういうものなんだ」と思って読むのがベターです。
なので、都志見文太さんの作品はファンタジーなんです。創作物である以上、どんなにリアルさを追求した作品であってもファンタジーなわけですが、そのラインを越えて、もっと「そういう世界の物語」なんです。そう割り切ったらわたしも以前よりアイナナを楽しめるようになりました。(でも毎回つっこみながら読んじゃうんだけど!)
さて、ではアイナナ本編について書いてみます。
アイナナが駆け上がるまで! 1部感想
第一部ではアイドリッシュセブンが結成され、アイドリッシュセブンの7人がそれぞれ抱える問題が提示、あるいは仄めかされ、ライバルユニットとなるTRIGGERの登場と友情、そして彼らがアイドルとして世の中に認知され受け入れられるまでが描かれました。
最初、わたしはアイドリッシュセブンの逢坂壮五くん推しでした。基本キャラ推しとかないことが多いのですが、今回はアイドルものですからね。推し作っといたほうが楽しめると思って。なぜ推しだったかというと、歌がうまかったからです。
一部は彼らがアイドルとして駆け上がるまでなので、けっこう軽快に物語が進んでいきます。うまくいったり、うまくいかなかったり、事件が起こったり、アップダウンもあり読みやすかった。もっとコアにアイナナを愛している友達は一部でも泣きまくりだったらしいですが、わたしは一部では泣き所なかったです。
基本的にはみんないい子。でも抱えている問題や性格の違いなどで、すれ違ったりかみ合わなかったり。言い出せなかったりうまくできなかったり。そこにドラマが生まれるんですよね。
Re:vale登場! 友情が深まる2部感想
一躍人気アイドルとなったアイドリッシュセブン。冠番組を持ったり、大きなイベントに招待されたりと順風満帆。でも、有名になって人気が出るにつれて、チーム内の人気格差やファンの感想に振り回されることが多くなってきます。仲間内でもギスギスした空気が漂って……。みたいな2部。
仲間の支えで立ち直ったり、仲間との絆を再確認したりして、少しずつチームとしての強さが生まれてきます。
新キャラとしてRe:valeという先輩アイドルが登場。この人たちもいい人です。というか、Re:valeの二人組は一番いい人かも。やっぱちょっと年上な設定なので、しっかりしてるんですよね。口悪い人もいますけどね。
わたしは2部で推しが逢坂壮五→六弥 ナギ→八乙女楽(TRIGGER)に変遷していきました。まず、壮五くんより相方の四葉 環くんのほうが歌がうまいことに気づいてしまい、ちょっと熱が冷めてしまいました。
というか、環くんは実際一番歌うまいし、かっこいい声なんす。環くんの声優さんが好きなのですが、環くんはフリーダムすぎてわたしの推しとしては愛せないので、友情に厚く、歌っている時にも訛っているところにプロ魂を感じたナギくんに鞍替えしました。ナギくんは2部でいくつも見せ場があり、かっこよかった。
ですが、ストーリーを改めて読み返してところ、すごく性格が良くて素敵なかんじなのが八乙女楽くんであることに気づいてしまったのです。漢気。
わたしの推しの話はこれくらいにして、2部は1部で張られていた伏線、布石のいくつかが解消され、新たな問題や伏線が浮上します。人物紹介的なことをしなくていい分、それぞれのエピソードにかなり読み応えがあり、ドラマも深くなっていました。また、ラストでは1部で起こってしまった問題のひとつがさわやかに解決され、読後感がとても良いです。
ほんとみんないい子だわ。
不穏感満載 3部(前半)感想
3部は不穏な出だしです。一線級で活躍していたアイドルなのに、なぜ路上で歌ってるの……?というオープニングから幕を開けて、なぜそうなったか、どのように立ち向かっていくのか、などが描かれていきます。ついでにRe:valeの過去話もあります。
3部で始めてヒールユニットのZOOLが登場。でもZOOLのメンバーも全員悪い子というわけじゃないみたい。ZOOLを率いている大人は、多分ほんとうに悪い奴です。キャラデザがもう、悪い奴って顔してるもの。
2部までの問題は、自然に起こるドラマというかんじだったけど、3部ではこのヒールが暗躍してアイドルたちを追い詰めていきます。周りからだんだんと追い詰められていくかんじって、読んでいてとてもハラハラする展開ですよね。まだ途中なので、どういう落としどころにするのかを楽しみに待っています。
ここまで読んでも、推しは楽さんで定着しています。ただ正直一番良い子なのは百くん(Re:vale)なんじゃ……、とも思っているので、今後変わるかもしれません。キャラ推しとか基本ないからこんなことになるんだ……。
全体感想と今後の展開予想
なんか中身のないエントリになってしまいましたが、大丈夫です。面白いですよ、本当です。ここまできちんとしたストーリーを無料で読めるなんて、大変お得だと思います。今後の展開も楽しみだし、読んでいるうちはいつも先が気になっています。飽きさせずに次々と色々なことが起こるので、だれることもなく楽しめます。
また、カードを集めると読める「ラビットチャット」にもおそらく伏線、布石が張られています。世界観の設定はざっくりですが、人物設定はかなり作りこまれているのでセリフなどにもあまり矛盾がないと思います。そういったことを楽しみながら読むと、ストーリーの裏話を覗いているようでこれまた楽しい。
最後に今後の展開予想。
アイナナのテイストとして、基本的にはハッピーエンドだと思います。ZOOLの人たちともちょっとした雪解けとかあるんじゃないかな。
3部は「誰のためのアイドルか」「アイドルとはなにか」「アイドルの幸せとは」が主題として提示されているので、みんなが各々それに向かいあって、成長していくんだと思います。
アイドリッシュセブンはアイドリッシュセブンの、トリガーはトリガーのアイドル像を持っていますが、今持っている認識だけでは足りなくなって、でももっと確固たる自分の信念みたいなものを見つける物語になっていくんじゃないかな。
それにしてもヒールとの攻防が押したり引いたりで続いています。次のラウンドが楽しみです。
コメント